はじまりも終わりもない
更新日:2月16日

顧客のY様は、今回初めて『丸』眼鏡を選ばれた。これまで「丸」以外を選び続けて、かつ常識にとらわれないデザインばかりかけてきた方だ。なので、これからは私よりも丸の万能さをよく理解している人になる

ここに至るまで,2015年に『無限』をオーダーでいただいた経緯がある。その購入の理由は2012年に買っていただいた眼鏡が極まりすぎて、周りにそのイメージが固定されることに「狭さ」を感じたからだ。このままでは他の眼鏡が楽しめない危機感があってのことだった。
「私にはもう“無限”しか考えられない!」
気に入りすぎた眼鏡を、無限メガネで冷却するその発想に驚かされた。

その発端である2012年、当店にお越しいただいた時点で相当な眼鏡好きであることは見てすぐに分かった。カラーはもちろん、アートなブランドを幅広く選んでいても自然に取り入れられていた。でも当店で最初に買っていただいた眼鏡は、デザインが入っていない正に『正方形』。
「これ、すごくイイ!!」
作った私もこれを真面目に選ぶ人を見たことがなかったので、
「ありがとうございます!」としか言えなかった
眼鏡を変えることは、何を更新していくかの積み重ねだ。「丸」は「無限」の先に存在できるのだと経験させてもらえた。

先日は初めての眼鏡をかけるという中学1年生になるA様が「丸」を選んでくれた。遠くからお越しいただいたのに即決まりだった
「他にいろいろかけてみませんか?」
「うん、これがいいです」
「色々と見比べた上で、やっぱり丸眼鏡がいい、と決めたほうが再認識できますよ?」
「眼は丸いし、たぶん見やすいです。
レンズも大きすぎないこれに決めました。」
「・・・!(まいりました)」

「ウロボロス」
循環性・永続性・始原性・完全性
360°どの位置に居ても、ぐるぐると回っている
はじまりも終わりもない
正しさや順番などもすべて、己にまかされている
同じ丸でも、そのゲートをくぐる人は様々だ
ジョンレノンも通るし、誰でも好きなタイミングで通れる
まるで神社の鳥居のようにフランクに開かれていて、神々しいのに通る人の個性をうるさく言わない
己の信じるスタイルで生きればよいし、誰もがそれを認めて共有している空間
境目なんてもともとは存在しないよ、という宇宙的なスタンスかも知れない
「色々試してきて、ついに丸にする」
「初めてだけど、とりあえず丸にする」
「なるほど!です」と、嬉しくなる
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