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令和のサンプラチナ眼鏡


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DEER GLASSESは、10月1日で14周年を迎えます。この静かな奈良の土地でお店を続けられているのは、皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます。

 

 サンプラチナという素材の眼鏡に触れるたびに、「これぞ眼鏡」と感じます。もともとこのフレームは、京都の老舗「眼鏡の玉垣」がデッドストックをもとに復刻したもので、1980年代後半から「眼鏡研究社」の名で販売されていました。2018年に閉店されましたが、当時購入されたお客様が今も修理にお持ちくださいます。

 当時からずっと使い続けられているその眼鏡は、少し手を入れれば再び現役に戻ります。お客様がかけ直して帰っていく姿は、むしろ以前より力強く感じられるほどです。眼鏡は「更新」されることで、時間とともに強さを増していくのです。


14年目にして、ひとつ DEER GLASSES らしいエピソードがあります。昔に眼鏡研究社で眼鏡を購入されたお客様が、次に DEER GLASSES で新たな眼鏡を仕立ててくださいました。さらに今度は、小学生の息子さんに当店を紹介してくださったのです。

息子さんはお父様と同じ「丸」を選びましたが、サイズの好みは少し違いました。お父様には「サンプラチナ眼鏡は40年使えることが証明されていますが、この調子だと100年使えると思います」とお話ししましたから、その言葉が息子さんにも伝わっているかもしれません。

良いものは継続する――そんなデザインを、ご子息に紹介したかったのかもしれません。


 サンプラチナは腐食に強く、経年変化もほとんどありません。一人の人間の記憶よりも長く生き続ける素材です。あとは、それを支える職人と小売店が存在するかどうか。

DEER GLASSESは、今後「製造」を軸に小売店を支える裏方の役割を担っていきます。眼鏡をつくるための治具を提供し、小売店が製造の一部を担い、お客様に提案できる仕組みです。地域の小さな眼鏡店は、既成品を自分たちの技術で調整してきた力があります。その力と、1930年から形を変えないサンプラチナの眼鏡が結びつけば、令和の時代にも文化はしなやかに伝わっていくはずです。

 
 
 

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